大判例

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名古屋高等裁判所 昭和24年(控)1602号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

(要旨)

① 原判决は、本件公訴事實は、これを認むるに足る證明がないとして、被告人等に無罪の言渡を爲しているが、(一)原審第一回公判調書の記載によれば、檢察官が朗讀した公訴事實に對し各被告人は、事實はその通りで何も述べることはないと供述して、公訴事實を〓て承認していることゝ(二)被害者石原義定に對する司法警察員の第一、第二回供述調書及び檢察官の供述調書によれば、公訴事實第一に照應する被害顛末の供述記載かあり、(三)被害者古田儀一に對する司法警察員の供述調書及び檢察官の供述調書によれば、公訴事實第二に照應する被害顛末の供述記載があつて、右各供述調書については、被告人等及び弁護人がこれを證據とすることについて同意しているから、本件公訴事實を證明するに足る一應の形式的證據がそろつていることになる。然るに原審が公訴事實を證明するに足る證據がないと斷定するには、右各證據が措信するに足らないもので從つて證明力がないことを説明しなければ、判决の理由としては、不備ということになる。結局原判决は、首肯するに足る理由を附さないか又は理由にくいちがいあるものということができるから本件〓訴趣意は理由がある。

② 原判决が原審公判廷における被告人の供述の一部を他の證據と綜合して判示事實を認定したことは判文上明かであるによつて原審公判調書を閲するに被告人の供述中には論旨摘録の供述が存在するのであるが、それは昭和二三年一一月三〇日以後の事實に關する供述であるから本件の昭和二三年一一月二八日頃窃盜を幇助したことの事實認定については關係のないことがらである、むしろこれを否定する資料となるものと認められる、そしてその他には同供述中本件窃盜を幇助したことに關する何等の供述もないされば原判决擧示の『被告人の當公廷における供述の一部』が如何なる部分を指すものであるかは不明であるけれども、所詮右の被告人の供述は判示事實を認定する證據とはならないものというべきである、してみればこれを證據に採用した原判决は虚無の證據を他の證據と綜合して事實の認定をした理由不備の違法あるものといわなければならない。

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